sissy's log

ここからは 青い空とか岬とか 見える

全ての言葉は さよなら

 

卒業式の季節だ。
あらゆる式典が嫌いな自分は、思いを馳せるべき
いい記憶があんまりない。そもそも記憶力に難がある。
しかし無理して思い出すと小中高校の卒業は
「こんな毎日会ってる級友ともう会わないんだ?」て
不思議さだった。
毎朝低いテンションで待ち合わせ登校したK姉妹。
放課後どちらかのクラスに迎えに行き
たまに道草してぶらんこ漕いだ友人S。
自分は笑い死ぬかも、と予感させてくれた友人Y。
本当にそれきりになってるひと、少し続いたひと。
卒業後に会っても、設定や背景が違うし別人だ。

 

いい年した大人になってから思うのは
「完結」してたんだな、てことだ。いつも。
不思議なくらい、あれっきり。
生き別れにしても、死に別れにしても。
ある事柄が一回しか起こらず再現できないこと、
「一回性の生」が子供の頃は実感できなかった。

 

「一回性の生」は毎日毎分起きている。
それがつまり「無常」のありようだ。
世界は決して繰り返さない。
ただ似ているだけだ。

 

卒業式が終わった後なんとなく解散しがたくて
廊下にたむろったり、写真を撮り合ったり。
ボタンをもらうために後輩が突入して来たり。
どこかで誰かがわっとテンション上げたり
どこかで誰かが急に泣き出したり。
あの時間は優しくて、いい思い出だ。
今の子らも
あんな時間を過ごしてるかな。
マスクなしだといいな。


『Camera Full of Kisses / 全ての言葉は さよなら』 
(Remastered 2006) · Flipper's Guitar

「分かり合えやしないってことだけを 分かり合うのさ」
「おもい切り ぼくたちはキスを投げて さよならする」


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