sissy's log

ここからは 青い空とか岬とか 見える

知の理由 その2

 

つづきなんですが。


シッダルタ曰く。
禍いや不幸を増やさないために、
知る・学ぶことをおろそかにしてはいけない。
そして自分でしっかり考え自分で決めるべきだ。
さらに
精神を静寂にしておくことも大切だ、と。

 

上の2点については納得がいく。
シッダルタは特に「邪教を妄信して苦しむ」とか
「出生などの根拠なき差別」を嫌い諫めたようだ。
自身が王族だったので、身分と幸福とが無関係である
ということにも気付けたんだろう。
2500年前だ、政治の権威も、宗教や呪術の権威も
さぞかし悪辣だったのではないか。
(現代もまあ、ヒドいんですけども)
そして「離脱すること」を説いた。

 

そのための2点だ。知識を入れ学ぶこと。
そして考えること。
知ったこと/情報を組み立て、組み替える。
比較検討する。仮説を立ててみる。
筋が通らないなら、投げ捨てる。
疑問点が出てきたら調べ直す。
上書きし更新する。
結論が出なくても。

 

3点目の静寂とは何なのか。

 

シッダルタはいくつかの瞑想を薦めた。
マインドフルネスもその流れから来た。
クリシュナムルティは仏教のひとではないが
おそらく同じレイヤー(層)の世界を視ていた。
この人の方が、それについて多くを語っている。

 

「自己(ego)は からっぽになることを怖れる」が
「完全にからっぽな精神だけが新しい何かを
 受け取ることができる」
絶対的に自由になるために
自己知と精神の静寂が不可欠である、と。

 

ところが。
精神を静寂にしておくのは
現代では至難の業だ。
絶えず “言葉と情報と思考とイメージ” に占拠される。
毎日、毎分、毎秒。
“感情”も動員され、エンドレスの高速回転。
過去を煩い、未来を憂いる。
お金の問題。夕食の献立。
誰かに言われたこと。誰かに言ったこと。
ネットニュースだとか、SNS活動だとか。
あのタレントの不倫が気に入らないとか。
あのサッカーチームの補強がダメだとか。
ロシアがああだ。日本がこうだ。

 

だがしかし。
この世界の繊細な美しさに気付けるのは
精神が静かで、からっぽの時なのだ。

夕暮れの色彩。
雨のあとの匂い。
ヒグラシの声。
梨の実の手触り。

 

そして、
智慧」が内側深くからやって来るのも
そんな時なのだ。
智慧とは、真理や道理を認識すること)

 


「あなたを解放するのは努力やシステムではなく、
 真理によってである」:クリシュナムルティ

 

「自帰依・法帰依」:シッダルタ
(自身を依りとして考え行いなさい、また
 真理を依りとして考え行いなさい)

 

 

参考にした本と web 
『仏教 本当の教え』
『はじめてのクリシュナムルティ
https://j-theravada.com/dhamma/chienotobira/tobira174/
日本テーラワーダ仏教協会

 

 

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