sissy's log

ここからは 青い空とか岬とか 見える

19 の 夏

 

19歳の夏、リゾートホテルでバイトしていた。
会員様限定の、豪華なでかいホテルだった。
午前中は白砂の入り江の海で泳ぎまくり、
バイト控室になだれ込んで爆睡したのち、
午後はフロント係かレストランウェイトレス。
空は青く、雲は白かった。

 

人生で最も傍若無人だった頃だ。
親どもも教師も、そこらのおっさんおばはんも
眼中に無く、ビニール傘と同程度の存在感だった。
パパが不潔でイヤ、とか言う娘もいるときくが、
自分はどうだったか思い出してみると
親の存在自体が視界に入らなかった。
凄まじい。
当時きっと明日世界が滅びると聞いても
「マジすかーあたしら死ぬんスかー」と爆笑した
だろう。友人の肩に掴まってのけぞりながら。

 

今の若者どももそんなメンタルでいることを願う。
コロナも世間も気にすんな。
愛すべきものを愛し
走って笑ってなだれ込め。

 

あの浜に起ち上がる波はミントグリーンだった。

 

 


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