sissy's log

ここからは 青い空とか岬とか 見える

アキ.カウリスマキ映画

 

最近はいい映画が少ない。
よくよく選んでもたいていハズす。
やたらにひとが死ぬ、やたらに残虐、
やたら設定と展開が混み入っている、
やたらにナンセンス、やたらサイコパス
そんなのが多い。
人民の日常ストレスが強大でそれを上回ろうとして
こんな刺激過剰なことになっていると思われる。
つまらん。

 

そんな私は、やや古めの映画にズバハマってた。
最愛は、フィンランドのアキ.カウリスマキ監督と
スウェーデンのイングマル.ベルイマン監督の
作品群だった。

 

カウリスマキ作品はどれも喜劇だ。
『浮き雲』1996 とか『街のあかり』、
一番知られてるのは『過去のない男』2002だろうか。
外国から来たところで暴漢に襲われ記憶をなくす男。
貧しい地域住民からコンテナを借りて住んだり
犬を押し付けられたりジャガイモを植えて暮らす。
食事・古着を配給する女性と親しくなり犬も連れて
キノコ狩りに行ったりする。

 

淡々と進む。会話・台詞はとても少ない。
誰も泣きわめいたりボヤいたり恨んだりしない。
ただ生きてく。
カウリスマキ監督作品はだいたいどれもそうだ。
理不尽な不幸に見舞われるが、とにかく粛々と進む。
そして、出会ったひとや犬が少しだけ助けてくれる。
誰もハッスルしない。
みんなで戦おうとか、行政に頼ろうとかしない。
銃器を振り回したり、クスリに溺れたりもしない。
ハリウッド映画しか知らない人にはショッキングな
ショボさだろう。
在るのは人間のリアルだ。じわじわ来る可笑しみ。
救いはなさそうで、ある。
観た後ホッコリするのでそれに気づくという程度の。
これが喜劇であったことを思い出す。


イランのA.キアロスタミ監督『オリーブの林をぬけて
J.ジャームッシュ監督『ストレンジャー ザン パラダイス』
『only lovers left alive』
W.ヴェンダース監督『ベルリン天使の詩
小津安二郎監督作品一群、
エリック.ロメール監督作品一群、
なども最愛。

 

どれも唯一無二であり、自分には至高。
なので今はたいして映画マニアではない。
今後このレベルはたぶん現れないだろうから
もう探し回らない。

 

しかしどれもこれも、かなり前に観たきりなので
詳しいレヴューができん。
DVDが欲しい。中古ならあるかな。
今プレイヤーも故障中だが。


イングマル.ベルイマン作品の話はまたいつか。

 

 

 

 

 

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